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自然と人に感謝してつくる「里山ごはん」

「1豊かな自然」
「2地域に根づいた伝統技術」
「3人と人との見える関係」
「4新しい技術」
の4つに支えられながら、私たちプラナスが提供する食事やそれを中心に置いたライフスタイルを総称して「里山ごはん」と呼んでいます。

美味しいことはもちろん、自分たちを含め身近な人たちが携わる素材を使うことで、安全安心で何より「生きている実感」を感じられる食生活を提供し、それぞれの豊かな生活の支えになればという思いが込められて います。

そこには、もちろん、プラナスが当初より願っている、障害を抱える方をはじめとした関 係する様々な方の食生活の豊かさの向上および、それに伴う当事者の活躍の場の創出も合わせて私たちの目的として掲げています。
一人でも多くの方の生活が豊になるよう一つひとつ丁寧に作っています「里山ごはん」をぜひ一度ご賞味ください。

里山ごはんを支える4つの特徴

オーナーの大谷良文氏が、15 代に渡り受け継がれてきた東京都内多摩丘陵の一画にある広大な農地や雑木林を保存し、「町田の里山を再生しよう」と、農業のフィールドとして長く使われていなかった土地を開墾し始めたのがこの「大谷里山農園」。大谷氏の尽力により、 農園は美しい棚田と蓮池を中心に徐々に昔の姿を取り戻し、現在では多くのテレビや映画撮影のロケ地としても使われるようにもなりました。

2012 年より年単位での会員を募りながら、農園内の田んぼや畑での栽培、収穫体験の機 会を作るとともに、地域文化を体験できるイベントを様々開催し、里山を地域の共有財産にしようと、地域の方々と共に維持、活用に努められています。

プラナスが運営する生活介護事業所「プラナスクリエイティブセンター」も、この自然豊 かな農園内の昔牛舎だった場所を改築してできあがった木に囲まれたロッジで活動しています。オーナーにご協力いただきながら、障害をもつ方の仕事として、農薬も使わず自然にすくすくと育つ山菜や果実を収穫したり、天日や自然の風など豊かな天然のエネルギーを活用して食材の加工をしたりしています。

ミネラル豊富な塩の華『Flower Of Ocean シホ』

里山ごはんには、自然あふれる伊豆大島産の塩『Flower Of Ocean シホ』を使用しています。昔ながらの製法にこだわり、地下200数メートルから汲み上げたミネラル豊富な深層海水を太陽熱や風などの自然の力でじっくり時間をかけて濃縮するのが特徴。そうして生まれる白い大輪の華のように美しい塩の結晶は、ほんのり甘いまろやかな口当たりが自慢です。

塩の結晶化には、日本古来の平釜製法を採用しています。平釜製法は離島の塩田で古くから用いられた製法で、具体的には文字通りフライパンのような平らな釜を使用して煮詰める方法を指します。この製法で作られる塩は効率面では劣り大量生産には向きませんが、舌の上でふわっと溶ける柔らかな質感に優れ、食材とも馴染みが良いとされています。

近年、塩の生産は効率化が進み、食卓に並ぶ塩はほとんどが電気分解によって作られた塩ばかりになりました。しかし、塩は水と同じように毎日かならず口にする「いのちの基本」。 人々の健康を守るためにも、より安全で高品質な自然塩を届けたい…伊豆大島に移住し50 年以上も伝統的な自然海塩づくりに取り組んできた創業者である阪本章裕の思いがこの塩には込められています。

春先に長野の麹屋から届く醤油麹は、到着後すぐに塩切りという、塩と麹を混ぜ合わせる作業を経て水とともに樽に入れます。塩は、伊豆大島産の塩『Flower Of Ocean シホ』、水 は大谷里山農園の地下水を使用。月に1、2度の天地返しをして、太陽のもとで発酵を促し、 そして冬には「搾り師」の方にこれを搾ってもらいます。一見簡単そうに聞こえますが、複雑な発酵技術や製造管理を、誰にでもできるようなこの方法を生み出したのは、醤油作りを 大切に伝えてきた搾り師の方々のお陰です(※)。

大谷里山農園には自家製の舟(醤油を搾る道具)があります。近くで醤油を作っている方々が醪(もろみ)を持ち寄り、搾り師さんとともに醤油を搾ります。出来上がった醪は、 年ごと、場所ごとに様子が異なるため、その状態に応じ、美味しさを可能な限り引き出し、 保存性も高く保つように搾るのが搾り師の技術です。こうして作られた醤油からは、十分すぎる旨味と料理への馴染みやすさ、そして年毎に違う味わいを楽しめる手作り感がしっかりと感じられます。

(※)昔は各家庭で作られていた「手造り醤油」ですが手間がかかるということで姿を消し始め、それとともに「搾り」の技術をもつ人たちもいなくなりました。国内で唯一残った搾り師、故萩原忠重氏は、家庭で誰でも作れる醤油作りの製法を研究しそれを見つけ出します。その方法としぼりの技術を萩原氏より直に学んだ岩崎洋三氏よりご指導いただきながら、大谷里山農園では今もなお醤油づくりが行われています。

麹と味噌づくり

味噌は日本の食事に欠かせない重要な調味料です。手前味噌という言葉のもとにもなっ ている通り、昔は各家庭で味噌が作られ、その環境により生まれる味の違いを楽しまれていたようです。私たちも地域の麹やさん「井上糀店」5代目代表の井上千重氏にご指導いただきながら、毎年自家製の味噌づくりを行っています。井上糀店さんは、明治初頭より酒造りで培った昔ながらの糀造りの技法を伝承し、町田市で唯一の無添加・天然醸造・手作りの味噌を製造販売しているお店。ゆっくりと熟成させる昔ながらの製法にこだわって作られています。里山ごはんでは味噌だけでなくこの麹も、塩麹や醤油麹にし、貴重な自家製調味料として活用しています。

時期が限られますが、大谷里山農園でとれたお米や大豆のみを使用して、井上糀店さん に作っていただく味噌も里山ごはんでは使わせていただいています。お米、大豆は農薬不使用、塩は『Flower Of Ocean シホ』を使用。麹は一般的な味噌の2倍以上使用しており、甘みや旨味の強い味噌となっています。味だけでなく、安心・安全であることも「手 前味噌」の魅力だと井上氏は話しますが、全て身の回りの素材から作られている自家製味 噌には、様々な魅力が詰まっています。

町田商工会議所が協力 10 企業と連携してスタートさせた「まちだシルクメロン」の水耕栽培。
これには、精密機械や医療機器のメーカーなど地域の企業がもつ技術を農業の分野に応用し、高い付加価値を持つ農作物をつくりあげることで、地域の中小企業が今後を生き残っていくための新分野のビジネスを開拓したいという切実な背景がありました。町田の技術を集結させることで生み出されたこの栽培法は「町田式新農法」と名付けられ、通常であればメロン一株から 1〜4 個ほどである収穫が、町田式新農法では約 60 個にもなり、メディアでは「奇跡のメロン」と紹介されています。

栽培槽の水流を工夫し常に根が健康な状態でいられるよう設計されたこの農法で作られ る作物は、糖度などを見てもその品質は高く、さらに病気にかかるリスクも少ないなどメリットが多く、他の農産物にも活用されています。メロンの収穫量が低くなる冬には、トマトやキュウリなどの生産も行っており、この質の高い野菜を里山ごはんにも使わせていただ いています。

国内には代表されているものでも、うるち米は 300 種類ほどあるとされていますが、さらに地域や作り方をあわせると何万種類をも超える中から自分たちにあったものを選ばなければいけません。そんなお米探しのお手伝いをしていただけるのが「お米マイスター」さんです。お米マイスターとは、お米に関して幅広い知識を持ち、米の特性(品質特性・精米 特性)、ブレンド特性、炊飯特性を見極めることができる人をさします。

私たちのお弁当には、冷めても固くなりにくい、モチモチ感と甘みが強いお米を使ってお りますが、その時期に最も条件の良いものを、地域のお米マイスターさんに選んで、場合に よりブレンドしていただいております。お弁当の主役であるその時期その時期のお米を是 非里山ごはんで楽しんでみてください。

地域の農産物のつなぎ役『JA 町田』

JA(農業協同組合)は個々の農業者が互いに助け合って、営農と生活を守り高めることを目的に設立された協同組合です。全国地域ごとにJAが存在していて、営農や生活の指導をはじめ、農畜産物の販売や営農・生活に必要な資材の購入などを通して組合員や地域経済・ 生活の安定に寄与されています。

私たちも、地域にある JA 町田市(堺支店)さんのご協力により、地域の農家さんとつな がり、その時期にとれる新鮮な野菜をご用意いただいています。鮮度が高い食品は基本的に味が良く栄養価が高いと言われていますが、その他にも、どんな人がつくった食材なのかがはっきりとわかることで、食べていただく方にも安心をお届けすることができています。